を惹《ひ》かねばならぬ。彼等《かれら》の姿《すがた》は斯《か》くして遠《とほ》く隔《へだ》てゝ見《み》るべきものであるが然《しか》しながら其《そ》の近《ちか》づいた時《とき》でも、跳《は》ねあげられた笠《かさ》の後《うしろ》には兩頬《りやうほほ》へ垂《た》れてさうして其《そ》の黒《くろ》い絎紐《くけひも》で締《し》められた手拭《てぬぐひ》の隙間《すきま》から少《すこ》し亂《みだ》れた髮《かみ》が覗《のぞ》いて居《ゐ》て其處《そこ》にも一|種《しゆ》の風情《ふぜい》が發見《はつけん》されねばならぬ。
 雨《あめ》を含《ふく》んだ雲《くも》が時々《とき/″\》遮《さへぎ》るとはいへ、暑《あつ》い日《ひ》のもとに黄熟《くわうじゆく》した麥《むぎ》が刈《か》られた時《とき》畑《はたけ》はからりと成《な》つて境木《さかひぎ》に植《うゑ》られてある卯木《うつぎ》のびつしりと附《つ》いた白《しろ》い花《はな》が其處《そこ》にも此處《こゝ》にも目《め》に立《た》つて、俄《にはか》に濶々《ひろ/″\》としたことを感《かん》ずると共《とも》に支《さゝ》へるものが無《な》くなる丈《だけ》目《め》に入《い》る
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