でも威勢《ゐせい》よく田圃《たんぼ》へ出《だ》してやつた。其《そ》の度《たび》に他《ほか》の子供等《こどもら》の後《うしろ》から
「泣《な》かさねえでよきことも連《つ》れでつてくろうな」といふおつぎの聲《こゑ》が追《お》ひ掛《か》けるのであつた。僅《わづか》な鰌《どぜう》は味噌汁《みそしる》へ入《い》れて箸《はし》で骨《ほね》を扱《しご》いて與吉《よきち》へやつた。自分《じぶん》では骨《ほね》と頭《あたま》とを暫《しばら》く口《くち》へ含《ふく》んでそれから捨《す》てた。
田《た》がそろ/\と耕《たがや》されるやうに成《なつ》た。子供等《こどもら》は又《また》一《ひと》つ/\の塊《かたまり》に耕《たがや》された田《た》を渡《わた》つて、其《その》塊《かたまり》の上《うへ》を辷《すべ》りながら越《こ》えながら、極《きは》めて小《ちひ》さい慈姑《くわゐ》のやうなゑぐの根《ね》をとつた。それは土地《とち》では訛《なま》つてゑごと喚《よ》ばれて居《ゐ》る。そこらの田《た》にはゑぐが多《おほ》いので秋《あき》の頃《ころ》に成《な》ると茂《しげ》つた稻《いね》の陰《かげ》に小《ちひ》さな白《しろ
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