《で》て、其《その》僅《わづか》な獲物《えもの》の笊《ざる》を誇《ほこ》つておつぎの側《そば》に來《く》る時《とき》は何時《いつ》もの甘《あま》えた與吉《よきち》である。彼《かれ》は何處《どこ》へでもべたりと坐《すわ》るので臀《しり》を丸出《まるだ》しに※[#「塞」の「土」に代えて「衣」、第3水準1−91−84]《かか》げてやつても衣物《きもの》は泥《どろ》だらけにした。それで叱《しか》られても泥《どろ》の乾《かわ》いた其《その》臀《しり》を叩《たゝ》かれても、おつぎにされるのは彼《かれ》にはちつとも怖《おそ》ろしくなかつた。彼《かれ》は小言《こごと》は耳《みゝ》へも入《い》れないで「※[#「姉」の正字、「女+※[#第3水準1−85−57]のつくり」、114−8]《ねえ》よう見《み》ろよう」と小笊《こざる》を枉《ま》げてはちよこ/\と跳《は》ねるやうにして小刻《こきざ》みに足《あし》を動《うご》かしながらおつぎの譽《ほ》める詞《ことば》を促《うなが》して止《や》まない。
 彼《かれ》は餘《あま》りに悦《よろこ》んで騷《さわ》いでひよつとすると危《あぶな》い手《て》もとで鰌《どぜう》を庭
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