そ/\と歸《かへ》つて來《き》た。おつぎは針《はり》持《も》つやうに成《な》つてからはき/\として俄《にはか》にませて來《き》たやうに見《み》えた。おつぎはもう十六である。辛苦《しんく》の間《あひだ》に在《あ》る丈《だけ》に去年《きよねん》からでは何《ど》れ程《ほど》大人《おとな》びて勘次《かんじ》の助《たすけ》に成《な》るか知《し》れない。殊《こと》に秋《あき》の頃《ころ》に成《な》つてからは滅切《めつきり》機轉《きてん》も利《き》くやうになつて、死《し》んだお品《しな》に似《に》て來《き》たと他人《ひと》にはいはれるのであるが、毎日《まいにち》一《ひと》つに居《ゐ》る自分《じぶん》にもさういへば身體《からだ》の恰好《かつかう》までどうやらさう見《み》えて來《き》たと勘次《かんじ》も心《こゝろ》で思《おも》つた。おつぎは今《いま》が遊《あそ》びたい盛《さか》りに這入《はひ》つたのであるが、勘次《かんじ》からは一日《いちにち》でも唯《たゞ》一人《ひとり》で放《はな》されたことがない。村《むら》の休日《ものび》には近所《きんじよ》の女房《にようばう》に連《つ》れられて出《で》て見《み》る
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