此《こ》れからお針《はり》にいけつかんな、そら此《こ》れ持《も》つて行《え》ぐんだ、おつかゞ持《も》つてた古《ふる》いのなんざあ外聞《げえぶん》惡《わる》くつて厭《や》だなんていふから、此《こ》んでもおとつゝあ等《ら》酷《ひで》え錢《ぜね》で買《か》つて來《き》たんだぞ、それから善《え》えだの惡《わり》いだのつて膨《ふく》れたり何《なに》つかすんぢやねえぞ、なあ」勘次《かんじ》は又《また》
「よき汝《われ》はおとつゝあが側《そば》に居《ゐ》る[#「る」に「ママ」の注記]んだぞ、えゝか、※[#「姉」の正字、「女+※[#第3水準1−85−57]のつくり」、109−8]《ねえ》は此《これ》から汝《われ》が衣物《きもの》拵《こせ》えんでお針《はり》に行《え》くんだかんな、聽《き》かねえと酷《ひで》えぞ」と與吉《よきち》を抱《だ》いて能《よ》くいひ含《ふく》めた。
 おつぎはそれから村内《そんない》へ近所《きんじよ》の娘《むすめ》と共《とも》に通《かよ》つた。おつぎは與吉《よきち》の小《ちひ》さな單衣《ひとへもの》を仕上《しあ》げた時《とき》其《そ》の風呂敷包《ふろしきづゝみ》を抱《かゝ》へてい
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