ら》の伴侶《なかま》はさういふことをも知《し》つて居《ゐ》た。晝餐《ひる》の後《あと》や手《て》の冷《つめ》たく成《な》つた時《とき》などには彼《かれ》はそこらの木《き》を聚《あつ》めて燃《も》やす。木《き》の根《ね》が燻《くす》ぶつていつでも青《あを》い煙《けむり》が少《すこ》しづゝ立《た》つて居《ゐ》る。彼《かれ》は其《その》煙《けむり》に段々《だんだん》遠《とほ》ざかりつゝ唐鍬《たうぐは》を打《う》ち込《こ》んで居《ゐ》る。毎日《まいにち》火《ひ》は別《べつ》な處《ところ》で焚《た》かれた。彼《かれ》は屹度《きつと》其《そ》の灰《はひ》を掻《か》つ掃《ぱ》いで去《さ》つたのである。然《しか》し壁際《かべぎは》に積《つ》んだ木《き》の根《ね》はそこには不正《ふせい》なものが交《まじ》つて居《ゐ》るにしても、大部分《だいぶぶん》は彼《かれ》の非常《ひじやう》な勞苦《らうく》から獲《え》たものである。彼《かれ》は林《はやし》の持主《もちぬし》に請《こ》うて掘《ほ》つたのである。それでも餘《あま》りに人《ひと》の口《くち》が八釜敷《やかましい》ので主人《しゆじん》は只《たゞ》幾分《いくぶ
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