《しごと》を怠《おこた》れば身内《みうち》がみり/\して何《なん》だか知《し》らぬが其《そ》の仕事《しごと》に催促《さいそく》されて成《な》らぬやうな心持《こゝろもち》がした。
鬼怒川《きぬがは》の水《みづ》は落《お》ちて此方《こちら》の土手《どて》から連《つらな》つて居《ゐ》る大《おほ》きな洲《す》が其《そ》の流《なが》れを西岸《せいがん》の篠《しの》の下《した》まで蹙《ちゞ》めて居《ゐ》る。廣《ひろ》く且《かつ》遠《とほ》い洲《す》には只《たゞ》西風《にしかぜ》が僅《わづか》に乾《かわ》いた砂《すな》をさら/\と掃《は》くやうにして吹《ふ》いて居《ゐ》る。それで白《しろ》く乾燥《かんさう》した洲《す》は只《たゞ》からりと清潔《せいけつ》に見《み》える。さういふ間《あひだ》にどうしたものか此《こ》れも氣《き》まぐれな人《ひと》が、遠《とほ》くは其《そ》の砂《すな》から生《は》えたやうに見《み》えてちらほらと散《ち》らばつて少《すこ》しづゝ動《うご》いて居《ゐ》る。勘次《かんじ》は土手《どて》からおりて見《み》た。動《うご》いて居《ゐ》る人々《ひと/″\》は萬能《まんのう》で其《そ》
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