常《いじやう》な勞働《らうどう》の爲《ため》に費《つひや》す其《そ》の食料《しよくれう》を除《のぞ》いては幾《いく》らもなかつたのである。
彼《かれ》は主人《しゆじん》の開墾地《かいこんち》が春《はる》一|杯《ぱい》の仕事《しごと》には十|分《ぶん》であることを悦《よろこ》んだ。錢《ぜに》の外《ほか》に彼《かれ》は米《こめ》と麥《むぎ》との報酬《ほうしう》を受《う》けることにした。おつぎは別《べつ》に仕事《しごと》といつてはなかつたが彼《かれ》はおつぎを一人《ひとり》では家《うち》に置《お》かなかつた。與吉《よきち》を連《つ》れておつぎは開墾地《かいこんち》へ行《い》つて居《ゐ》た。勘次《かんじ》が其《そ》の鍛錬《たんれん》した筋力《きんりよく》を奮《ふる》つて居《ゐ》る間《ま》におつぎはそこらの林《はやし》から雀枝《すゞめえだ》を採《と》つて小《ちひ》さな麁朶《そだ》を作《つく》つて居《ゐ》る。小《ちひ》さな枝《えだ》は土地《とち》では雀枝《すゞめえだ》といはれて居《ゐ》る。枯《かれ》た雀枝《すゞめえだ》を採《と》ることは何處《どこ》の林《はやし》でも持主《もちぬし》が八釜敷《やか
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