《おも》ふやうである。土《つち》を切《き》り起《おこ》すことの上手《じやうず》なのは彼《かれ》の天性《てんせい》である。それで彼《かれ》は遠《とほ》く利根川《とねがは》の工事《こうじ》へも行《い》つたのであつた。彼《かれ》は自分《じぶん》の伎倆《うで》を恃《たの》んで居《ゐ》る。彼《かれ》は以前《いぜん》からも少《すこ》しづつ開墾《かいこん》の仕事《しごと》をした。其《そ》の賃錢《ちんせん》によつて其《そ》の土地《とち》を深《ふか》くも淺《あさ》くも速《はや》くも遲《おそ》くも仕上《しあ》げることを知《し》つて居《ゐ》た。竹林《ちくりん》を開墾《かいこん》した時《とき》彼《かれ》は根《ね》の閉《と》ぢた儘《まゝ》一|坪《つぼ》の大《おほ》きさを只《たゞ》四《よ》つの塊《かたまり》に掘《ほ》り起《おこ》したことがある。それでも其《そ》の頃《ころ》まではさういふ仕事《しごと》が幾《いく》らも無《な》かつたので、其《そ》の賃錢《ちんせん》は仕事《しごと》を始《はじ》める時《とき》其《そ》の研《と》ぎ減《へ》らした唐鍬《たうぐは》の刄先《はさき》を打《う》たせる鍛冶《かぢ》の手間《てま》と、異
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