木《き》のやうな大《おほ》きな常緑木《ときはぎ》の古葉《ふるは》をも一|時《じ》にからりと落《おと》させねば止《や》まないとする。
此《こ》の時《とき》凡《すべ》ての樹木《じゆもく》やそれから冬季《とうき》の間《あひだ》にはぐつたりと地《ち》に附《つ》いて居《ゐ》た凡《すべ》ての雜草《ざつさう》が爪立《つまだて》して只《たゞ》空《そら》へ/\と暖《あたゝ》かな光《ひかり》を求《もと》めて止《や》まぬ。土《つち》がそれを凝然《ぢつ》と曳《ひ》きとめて放《はな》さない。それで一|切《さい》の草木《さうもく》は土《つち》と直角《ちよくかく》の度《ど》を保《たも》つて居《ゐ》る、冬季《とうき》の間《あひだ》は土《つち》と平行《へいかう》することを好《この》んで居《ゐ》た人《ひと》も鐵《てつ》の針《はり》が磁石《じしやく》に吸《す》はれる如《ごと》く土《つち》に直立《ちよくりつ》して各自《てんで》に手《て》に農具《のうぐ》を執《と》る。紺《こん》の股引《ももひき》を藁《わら》で括《くゝ》つて皆《みな》田《た》を耕《たがや》し始《はじ》める。水《みづ》が欲《ほ》しいと人《ひと》が思《おも》ふ時《
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