である。おつぎは焦《ぢ》れて邪險《じやけん》に與吉《よきち》をゆさぶることもあつた。それで與吉《よきち》は遂《しまひ》には砂糖《さたう》を口《くち》にしながらすや/\と眠《ねむ》る。卯平《うへい》は與吉《よきち》が靜《しづ》かに成《な》るまでは横《よこ》に成《な》つた儘《まゝ》おつぎの方《はう》を向《む》いて薄闇《うすぐら》い手《て》ランプに其《そ》の目《め》を光《ひか》らせて居《ゐ》る。
與吉《よきち》はおつぎに抱《だ》かれる時《とき》いつも能《よ》くおつぎの乳房《ちぶさ》を弄《いぢ》るのであつた。五月蠅《うるさ》がつて邪險《じやけん》に叱《しか》つて見《み》ても與吉《よきち》は甘《あま》えて笑《わら》つて居《ゐ》る。それでも泣《な》く時《とき》にお品《しな》のしたやうに懷《ふところ》を開《あ》けて乳房《ちぶさ》を含《ふく》ませて見《み》ても其《そ》の小《ちひ》さな乳房《ちぶさ》は間違《まちが》つても吸《す》はなかつた。砂糖《さたう》を附《つ》けて見《み》ても欺《あざむ》けなかつた。おつぎは與吉《よきち》が腹《はら》を減《へ》らして泣《な》く時《とき》には米《こめ》を水《みづ》に浸
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