》かしたのであつた。然《しか》しながら其《そ》の身《み》を殺《ころ》した黴菌《ばいきん》がどうして侵入《しんにふ》したであつたらうか。お品《しな》は卵膜《らんまく》を破《やぶ》る手術《しゆじゆつ》に他人《たにん》を煩《わずら》はさなかつた。さうして其《その》※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]入《さうにふ》した酸漿《ほゝづき》の根《ね》が知覺《ちかく》のないまでに輕微《けいび》な創傷《さうしやう》を粘膜《ねんまく》に與《あた》へて其處《そこ》に黴菌《ばいきん》を移植《いしよく》したのであつたらうか、それとも毎日《まいにち》煙《けぶり》の如《ごと》く浴《あび》せ掛《か》けた埃《ほこり》から來《き》たのであつたらうか、それを明《あき》らめることは不可能《ふかのう》でなければならぬ。然《しか》し孰《いづ》れにしても病毒《びやうどく》は土《つち》が齎《もたら》したのでなければならなかつた。
葬式《さうしき》の次《つぎ》の日《ひ》は又《また》近所《きんじよ》の人《ひと》が來《き》た。勘次《かんじ》は其《そ》の借《か》りた羽織《はおり》と袴《はかま》を着《き》
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