つぶほど》の突起《とつき》があつた。お品《しな》は有繋《さすが》に惜《を》しい果敢《はか》ない心持《こゝろもち》がした。第《だい》一に事《こと》の發覺《はつかく》を畏《おそ》れた。それで一|旦《たん》は能《よ》く世間《せけん》の女《をんな》のするやうに床《ゆか》の下《した》に埋《うづ》めたのをお品《しな》は更《さら》に田《た》の端《はた》の牛胡頽子《うしぐみ》の側《そば》に襤褸《ぼろ》へくるんで埋《うづ》めたのである。
 お品《しな》は身體《からだ》の恢復《くわいふく》するまで凝然《ぢつ》として蒲團《ふとん》にくるまつて居《ゐ》れば或《あるひ》はよかつたかも知《し》れぬ。十|幾年前《いくねんまへ》には一|切《さい》を死《し》んだお袋《ふくろ》が處理《しより》してくれたのであつたが、今度《こんど》は勘次《かんじ》も居《ゐ》ないしでお品《しな》は生計《くらし》の心配《しんぱい》もしなくては居《ゐ》られなかつた。一《ひと》つにはそれを世間《せけん》に隱蔽《いんぺい》しようといふ念慮《ねんりよ》から知《し》らぬ容子《ようす》を粧《よそほ》ふ爲《ため》に強《し》ひても其《そ》の身《み》を動《うご
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