今日《けふ》は其《そ》の笑聲《せうせい》を後《あと》にして冷《つめ》たい土《つち》に歸《き》したのである。
五
お品《しな》は自分《じぶん》の手《て》で自分《じぶん》の身《み》を殺《ころ》したのである。お品《しな》は十九の暮《くれ》におつぎを産《う》んでから其《その》次《つぎ》の年《とし》にも亦《また》姙娠《にんしん》した。其《そ》の時《とき》は彼等《かれら》は窮迫《きうはく》の極度《きよくど》に達《たつ》して居《ゐ》たので其《そ》の胎兒《たいじ》は死《し》んだお袋《ふくろ》の手《て》で七月|目《め》に墮胎《だたい》して畢《しま》つた。それはまだ秋《あき》の暑《あつ》い頃《ころ》であつた。強健《きやうけん》なお品《しな》は四五|日《にち》經《た》つと林《はやし》の中《なか》で草刈《くさかり》をして居《ゐ》た。それでも無理《むり》をした爲《ため》に其《その》後《ご》大煩《おほわづら》ひはなかつたが恢復《くわいふく》するまでには暫《しばら》くぶら/\して居《ゐ》た。それからといふものはどういふものかお品《しな》は姙娠《にんしん》しなかつた。おつぎが十三の時《とき》與
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