なんて、しらばつくれてな」
「死《し》ぬ者《もの》貧乏《びんばふ》なんだよ」
「そんだがお品《しな》さんは自分《じぶん》のがばかりぢやねえつちんぢやねえけ」
「さうだとよ、大《え》けえ聲《こゑ》ぢやゆはんねえが、五十錢《ごくわん》とか八十錢《はちくわん》とか取《と》つて他人《ひと》のがも行《や》つたんだとよ」
「八十錢《はちくわん》づゝも取《と》つちやおめえ、女《をんな》の手《て》ぢやたえしたもんだがな、今度《こんだ》自分《じぶん》で死《し》んちまあなんて、行《や》んねえこつたなあ」
「罪《つみ》作《つく》つた罰《ばつ》ぢやねえか」
遠慮《ゑんりよ》もなくそれからそれと移《うつる》のである。
「そんなことゆつて、今《いま》出《で》た佛《ほとけ》のことをおめえ等《ら》、とつゝかれつから見《み》ろよ」
他《た》の一人《ひとり》の女房《にようばう》がいつた時《とき》噺《はなし》が暫時《しばらく》途切《とぎ》れて靜《しづ》まつた。一人《ひとり》の女房《にようばう》が皿《さら》の大根《だいこ》を手《て》で撮《つま》んで口《くち》へ入《い》れた。
「さうえ處《とこ》他人《ひと》に見《み》られた
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