織《はおり》袴《はかま》で位牌《ゐはい》を持《も》つた。それは皆《みな》借《か》りたので羽織《はおり》の紐《ひも》には紙撚《こより》がつけてあつた。
 墓《はか》の穴《あな》は燒《や》けた樣《やう》な赤土《あかつち》が四|方《はう》へ堆《うづたか》く掻《か》き上《あ》げられてあつた。其處《そこ》には從來《これまで》隙間《すきま》のない程《ほど》穴《あな》が掘《ほ》られて、幾多《いくた》の人《ひと》が埋《うづ》められたので手《て》の骨《ほね》や足《あし》の骨《ほね》がいつものやうに掘《ほ》り出《だ》されて投《な》げられてあつた。法被《はつぴ》を着《き》た寺《てら》の供《とも》が棺桶《くわんをけ》を卷《ま》いた半反《はんだん》の白木綿《しろもめん》をとつて挾箱《はさんばこ》に入《いれ》た。軈《やが》て棺桶《くわんをけ》は荒繩《あらなは》でさげて其《そ》の赤《あか》い土《つち》の底《そこ》に踏《ふ》みつけられた。麁末《そまつ》な棺臺《くわんだい》は少《すこ》し堆《うづたか》く成《な》つた土《つち》の上《うへ》に置《お》かれて、二《ふた》つの白張提灯《しらはりちやうちん》と二《ふた》つの花籠《
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