はなかご》とが其《その》傍《そば》に立《た》てられた。お品《しな》は生來《せいらい》土《つち》を踏《ふ》まない日《ひ》はないといつていゝ位《ぐらゐ》であつた。さうしてそれは凍《い》てる冬《ふゆ》の季節《きせつ》を除《のぞ》いては大抵《たいてい》は直接《ちよくせつ》に足《あし》の底《そこ》が土《つち》について居《ゐ》た。お品《しな》は恁《かう》して冷《つめ》たい屍《かばね》に成《な》つてからも其《そ》の足《あし》の底《そこ》は棺桶《くわんをけ》の板《いた》一|枚《まい》を隔《へだ》てただけで更《さら》に永久《えいきう》に土《つち》と相《あひ》接《せつ》して居《ゐ》るのであつた。
 小《ちひ》さな葬式《さうしき》ながら柩《ひつぎ》が出《で》た後《あと》は旋風《つむじかぜ》が埃《ほこり》を吹《ふ》つ拂《ぱら》つた樣《やう》にからりとして居《ゐ》た。手傳《てつだひ》に來《き》て居《ゐ》た女房等《にようばうら》はそれでなくても膳立《ぜんだて》をする客《きやく》が少《すくな》くて暇《ひま》であつたから滅切《めつきり》手持《てもち》がなくなつた。それでも立《た》ちながら椀《わん》と箸《はし》とを持《
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