草《はゝこ》の花はなつかしみ見つ
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三日、汐見途上
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濱苦菜ひたさく磯を過ぎ來ればかち布刈り積み藁きせて置く
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四日、那古の濱より汽船に乘る、知り人の子等四人甲斐甲斐しく渚まで見送りす、一人は人に負はれ、一人はまだ學齢に滿たざれど歩みて來る、此の子畫を描くを好みて常に左の手のみを用ふ、心うれしきまゝに後に母なる人のもとへよみておくりし歌のうち二首
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青梅と雀と描きし左手に書持つらむか復た逢ふ時は
負はれ來し那古《なご》の砂濱ひとり來て濱鼓子花《はまひるがほ》を摘まむ日や何時
炭燒くひま
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春の末より夏のはじめにかけて炭竈のほとりに在りてよめる歌十三首のうち
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積みあげし眞木に着せたる萱菰に撓みてとゞく椶櫚の樹の花
炭がまを焚きつけ居れば赤き芽の柘榴のうれに没日さし來も
芋植うと人の出で去れば獨り居て炭燒く我に松雀《まつめ》しき鳴く
炭竈の灰|篩《ふる》ひ居れば竹やぶに花ほの白しなるこ百合ならむ
槲木《かしはぎ》のふさに垂
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