、管をつなぎ、干菜つる、竹村に、をちかたに、導けば、をちかたに、烟立つ、夜見れば、ふとく立ち、日に見れば、うすく立ち、白烟、止まず立てば、竹の葉は枯れぬ。
       五
眞木伐りて、炭は燒く、炭燒くは、櫟こそよき、梔を、つゝき破りて、染汁に、染めけむごと、伐り口の、色ばみ行く、眞木こそよき、櫟こそよき。
       六
疱瘡《もがさ》やみ、鼻がつまれば、枳※[#「木+惧のつくり」、第4水準2−15−7]《けんぽなし》、實を採り來、ひだりの、孔にさし、みぎりの、孔にさし、忽ちに、息は通へど、炭竈の、烟噴き孔、土崩えて、塞がりてありしを、知らずと燒きし、かゝり炭、いぶり炭、へつひには、火が足らず、火鉢には、烟立つ、いぶり炭、かゝり炭。

    春季雜咏

杉の葉の垂葉のうれに莟つく春まだ寒み雪の散りくも

椶櫚の葉に降りける雪は積みおける眞木のうへなる雪にしづれぬ

木の葉掻く木の葉返しの來てあさる竹の林に梅散りしきぬ

梅の木の古枝にとまる村雀羽掻きも掻かずふくだみて居り

小垣外のわか木の栗の枝につく枯葉は落ちず梅の花散りぬ

根をとると鴨兒芹《みつば》の古葉掻き堀れば柿の木に
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