串うまけれどこゝろなの人やけふ持ちて來し
鬼怒川の夏涸水のぬるき瀬にやまべとるらむみにも行かめど
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暑さはげしければ、いづこも明け放ちてやすらふ、夏蕎麥の幹うつとて下部の庭にたちて振まふをうちながめつゝ
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柄臼を横さにたてゝうつ蕎麥のこぼれて飛ぶをみつゝおもしろ
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をちこちに麥うつおと頻りにきこゆるに
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となりやに麥はうてども藪こえて埃もこねばおもしろに聞く
連枷《からさを》のとゞろ/\に挨たて麥うつ庭の日車の花
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日のうちは暑さに疲れをおぼゆれども、くれ近くなればいさゝか出でありくことあり、
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たま/\にたち出でゝみれば花ながら胡瓜のしりへゆがまひて居り
眞日の照り日の照るなべにさぶしらに胡瓜の黄葉おちにけるかも
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はや土用にもいりたるに、再びすともいまはやめよと切なるすゝめに止むなくして二十一日の夜はじめて物くふ、二日ばかりして車に乘りていでありく、
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いくばくも未だへなくに葉が
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