むとての企なり。素よりいえなむ日までと思ひ立ちたるなりければ、いつを畢りと豫ねてえ定むべくもあらずと
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葉がくりになる南瓜のおぼろには目にみえぬごとおくが知らずも
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辰巳のかぜふきて雨のふりつゞきければ鬼怒川いたくまさりて濁れる、水豆の畑にも越えたりなどいふをきゝて
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よごれたるおどろがなかに鴨跖草《つゆぐさ》の花かもさかむ水ひきていなば
鴨跖草の花のさくらむ鬼怒川の水のあと見にいつかまからむ
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こゝろ計りは慥なれども、脚に力なければ、頓にたゝむとすれば目くるめくこともあり、おほかたは打ち臥す。藪の中にさきたりけるとて百合の花をもて來てくれければ
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さゆりばな我にみせむと野老蔓《ところづら》からみしまゝに折りてもち來し
白埴の瓶によそひて活けまくはみじかく折りし山百合の花
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いたく欲しとにはあらねど人の物くふをみればうまげなるも片腹いたきおもひするに、まだきにやまべの串をもてきて呉れたるを
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鬼怒川のやまべ燒
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