萩の上に雀とまりて枝ゆれて花はら/\と石にこぼるゝ

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雲の上のよろこびごときのふとのみおもひはべりしにはや御着帶の事きこえはべれば
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むらさきの花をつくりていはひてし月の六かはり秋ふけわたる

神ながら契らす秋の長秋をみこのきさいに玉こもります

すめろぎのみすゑさかゆく大みよに天なる神は玉くだします

こもらせる玉をたふとみやすらかにあらせたまへといのりたてまつる

をにませば日のすゑとほぎめにませば月のすゑとほぐ玉にいますはや

天なるや神のくだせるうづの玉をことほぎまつることのかしこさ

かゞなべて五つのおよび二をりの十かはり月日さきくといのる

こもらせる玉をかしこと山川の清き河内に宮居せすかも

かしこきや玉くだらせる國原にかゞよふ雲の八重たちのぼる

國原に玉くだらせるしるしありてとよの長秋ながくやすらかに

天にまし國にいませるもろ/\の神のまもらす玉のたふとさ

    鬼

窓の外にうかゞふ鬼の隱るゝとかしら隱して角を隱さず

なにをかもいたく恐れか赤鬼のおもてか青にうちふるひ居り

    戯詠鬼歌

葱のぬたを好む
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