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いせの海をふきこす秋の初風は伊良胡が崎の松の樹を吹く
しほさゐの伊良胡が崎の萱《わすれ》草なみのしぶきにぬれつゝぞさく
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十七日、駿河の磯邊をゆきくらして江尻までたどり行かむとてよめる
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清見潟三保のよけくを波ごしに見つゝを行かむ日のくれぬとに
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十八日、箱根の山をわたりてよめる
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箱根路を汗もしとゞに越えくれば肌冷かに雲とびわたる
まつがさ集(四)
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西のみやこを見にまかりてまる山といふところにいきけり、芋棒となむいふいへに入りてひるげしたゝむる程に、あとよりきたる女どもの、さかり傾ぶきしよはひにも有らねば、はでやかなるさまに粧ひけるが、隣の間へいりたるを、暑き日のさかりとて隔ての葭戸は明け放ちたるまゝなりければ、京の女といふもの珍らしく思ひて見る程、怪しくも帶解きやり帷子なりけるが片へに脱ぎ捨てゝゆもじばかりになりてぞ酒汲みはじめける、はしたなき女どもの振舞かなと、興さめ果てゝむな苦しくぞおぼえしや、只管によき衣
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