げ]
十一日、つとめて本宮へこえむと、大雲取峠といふをわたるに暑さはげしくしてたへがたければ、しば/\水をむすびて喉をうるほす
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虎杖のおどろが下をゆく水の多藝津速瀬をむすびてのみつ
眞熊野の山のたむけの多藝津瀬に霑れ霑れさける虎杖の花
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さらに小雲取峠といふにかゝる、木立稀なれば暑さいよいよきびしくして思ひのまゝにはえもすゝまず、汗おし拭ひてはやすらひやすらふ程に、羊齒のしげりたるを引きたぐりてみれば七尺八尺のながさなるを、珍らしく思ふまゝにをりて持て行くとて
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かゞなべて待つらむ母に眞熊野の羊齒の穗長を箸にきるかも
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十二日、熊野川へそゝぐきたやま川といふ川ののぼりに瀞《どろ》八丁といふをみむと竹筒といふところより山を越えて
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竹筒《たけと》のや樛の木山の谷深み瀬の音はすれど目にもみられず
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十三日、舟にて熊野川を下る
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熊野川八十瀬を越えてくだりゆく船の筵にさねて涼しも
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十四日、
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