弓矢は細矢にて(同)
かしこきやすめらみことにありながらありとふ妹が家も知らなく(小督)
かしこきやすめらみことにありながら朝な夕なに妹を戀ふらく(同)
人の臣のかしこきかもよ人の君を板屋の中にこめたてまつる(法皇幽屏)
君故にさかえし我よわがために衰へたりし君をかなしむ(佛)
六月第二會
神
木の實はみ木の根とりくひいきながら空に昇りて神とならんかも
こち村とさき村のあはひしみたてる森に祭れるうぶすなの神
報東々幾數
時鳥竹やぶ多き里過ぎて麥のはたけの月に鳴くなり
七月短歌會
日の本のますらたけをのをたけびに仇の砦は逃げて人もなし
躬恒等の歌をよろこぶ歌人は蛙となりて土にはらばへ
七月第二會
盂蘭盆會
み佛にさゝげまつりし蓮の葉も瓜も茄子も川に流しぬ
納涼
蓮の葉にわたる夕風すゞしけば池のほとりに人つどひけり
河近み河風家に吹き入りて蚊遣の煙かたなびきすも
川風の吹きのまに/\羅の妹が衣の裾ひるがへる
彼方の森に入日の光きえ涼しき風の川下ゆ吹く
[#ここから4字下げ]
六月廿日再び左
前へ
次へ
全73ページ中5ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
長塚 節 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング