ぎろひの夕さりくれば。鹽つまる和田つ宮居の。玉かざす少女が伴は。足引のおほやまつみの。山彦に合ひし合はまく。青薦の麥野をよぎて。榛の木の小枝が垂穗を。あさみどり柳が糸を。春風のさゆらさゆらに。裾引にいゆりわたれば。こち/″\の谷付く水の。川しりの八十つ船女が。うはなりのねたみ思ひて。をとめらにい及きあはむと。曳綱の曳かくを遲み。さす棹のさゝくを遲み。尾羽張に白帆は揚げて。日もおちず夕さりごとに。こりせずとひた追ひすもよ。い及きあはなくに。

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いま/\しさのたへがたきことありて
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丈夫の腋挾み持つ。桑の弓梓の弓。弓こそはさはにあれども。吾持つや手握細。細小竹のへろ/\矢。天とぶ雁にさやらず。槻が枝の鷦鷯とらむと。鷦鷯はや木ぬれはうつす。いたづらに吾とる弓の。へろ/\矢あはれ。

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下つまなる狹沼のほとりは吾いとけなき折のすみどなりければ見るになつかしき思ひぞすなる、ことしの春舟を泛べてそゞろに昔のことなどおもひいでければよめる
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わらはべに吾ありしかば舟競ひかづきせりける狹沼ぞこれは

これ
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