の牧師』([#ここから割り注]オリヴァー・ゴールドスミスの作品――訳註[#ここで割り注終わり])に出てくるオランダ人の校長のことばと同じで、『わしはギリシア語かわからんでも、年に千ポンドの収入があるし、ギリシア語なしでもたらふく食べられるよ』だってさ。けれども、僕に対する愛情のほうが、とうとう学問嫌いにうち勝って、知識の陸地を発見する航海に就くことを許してくれたんだ。」
「君に会えてとても嬉しいよ。だけど、父や弟らやエリザベートのことは、まだ聞かせてもらえないね。」
「とても達者だよ。そして幸福だよ。ただ、君がめったに手紙をよこさないのかちょっと気がかりのようだったね。その話については、おいおい君に、ちっとばかり小言をいうつもりだ。――それはそうとフランケンシュタイン」と言いさし、私の顔をつくづく眺めて続けた、「今まで言わなかったが、君はたいへんかげんがわるそうに見えるよ。ひどく痩せてるし、顔色がよくない。まるで幾晩も眠らなかったように見えるぜ。」
「たしかに図星だよ。このごろ、一つの仕事に没頭しきっていたもんだから、君にもわかったようにろくすっぽ休息を取っていないんだ。しかし、この仕
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