した時の、私の秘密な仕事の怖ろしさを、誰が想像するだろう。今でも、憶い出すと、手足が震え、眼がまわるのであるが、そのときには、抗しがたい、ほとんど狂乱した衝動に促されて、この、たった一つの追求以外には、精神も感覚もみな失ってしまったようであった。それは、じっさい、私が自分の古い習慣に戻ると、たちまち、一新された鋭敏さをもって、作用することをやめる不自然な刺戟を私に感じさせただけの、一時の夢うつつでしかなかった。私は納骨所から骨を集め、穢らわしい指で人間の体の怖ろしい秘密を掻きまわした。家のてっぺんにあって、廊下と階段で他の部屋から隔てられた孤独な部屋、というよりはむしろ独房を、私は不潔な創造の仕事場とした。眼の球はこまかい仕事を一心にやったためにとび出していた。材料は解剖室や屠殺場からどっさり手に入った。するとときどき、自分の人間らしい性質が、仕事からおぞましげに眼をそらしたが、それでもなお、絶えまなしにつのる熱心さにうながされて、自分の仕事を完成に近づけた。
こうして一つの探求に心身を捧げているうちに、夏の幾月かが過ぎてしまった。とても美しい季節で、畠からは今までになく豊かな収穫が
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