が、ついには成功することを疑わなかった。私は数々の失敗を覚悟した。というのは、作業にしじゅう頓挫を来してついには仕事が不完成に終るかもしれなかったからだが、科学や機械学において毎日おこなわれている改良を考慮すると、現在の企てがすくなくとも将来の成功の基礎を置くことを望むだけの勇気が出てきた。そして、私の計画が大きくて複雑だからといって、これを何か実行できない議論として考えることもできなかった。私が人間の創造にとりかかったのは、こんなことを感じてであった。部分部分がこまかいと、細工に要する時間がはなはだしく長びいてしまうので、私は、最初の意図に反して、その人間を巨大な背丈にすることに決めた。すなわち、高さが約八呎で、大きさがそれに相応するものであった。それが決まってから、材料をうまいぐあいに集めたり排列したりして私は始めた。
颶風《ぐふう》のように私を成功の最初の熱狂へと吹き送ったさまざまな感情は、誰も想像することはできない。生と死は、私がはじめて突破して私たちの暗い世界に光の急流を注ぐ理想の限界のように見えた。新しい種が私をその創造者、根源として祝福するだろう。多くの幸福なすぐれた性
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