がかたずけてしまうありさまも見た。生から死へ、死から生への変化に例証されるようなあらゆる因果関係を、仔細に検討し、かつ分析しているうちに、とうとう、この暗やみのさなかから、ひとすじの光がとつぜん私の上に射しこんできた。光は輝かしくてふしぎではあるが単純なもので、その光かまざまざと見せてくれに眺望のどえらい広さにめまいがしながらも、同じ科学に向って研究を急いでいる多数の天才のなかで、私だけがこうも驚くべき秘密を発見することになったのが、意外でたまらなかった。
 おぼえておいてほしいが、私は狂人の幻覚を記録しているわけではないのだ。私がいまほんとうだと断言することほど確実には、太陽だって天に輝きはしない。何かの奇蹟かそうさせることになったのかもしれないが、それにしてもその発見の諸段階ははっきりしており、また有りうることであった。日に夜をついだ信じられないような労苦と疲労の後に、私は、生殖と生命の原因を発見することに成功した。いや、それ以上に、無生物に生気を与えることができるようになった。
 最初この発見で経験した驚きは、まもなく歓喜と恍惚に変っていった。苦痛にみちた労苦にこれほど多くの時間
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