難すべき点も見つけませんでした。熱狂的な発作に襲われながら、私は、理性をそなえた生きものを創造し、それに対して、私の力でできるだけは、そのしあわせをはかってやる義務を負いました。これは私の義務でしたが、そのほかにもっとたいせつな義務もあったわけです。自分の属する人類に対する義務のほうが、幸不幸のもっと大きな部分を占めていますから、私の注意をそれだけ大きく要求することになります。こういう見解から私は、最初に造った者の伴れあいをっくることを拒絶しましたが、拒絶するのが正しかったのです。そいつは、邪悪さの点でお話にならない悪意と利己心をさらけ出し、私の親しい人たちを殺し、微妙な感情をもった、幸福な、賢い人たちを殺害しました。しかも、こういう復讐に対する渇望が、どこで終りになるかもわからないのです。みじめはみじめでも、ほかの者を不幸にしないためには、そいつが死ななければいけません。そいつをやっつける仕事が私の仕事でしたが、私は失敗しました。自己本位のよくない動機に駆られた時には、この未完成の仕事を引き受けてくださるようにお願いしましたが、理性と徳だけで動いている今でも、この要求をくりかえします
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