て寝台からはね起きようとしましたが、そうするだけの力もなくて、あおむきに倒れて気を失ってしまいました。
 正気にかえるのに長くかかり、僕は何度も、もう息を引き取ったのではないかとおもいました。やがてやっと眼を開きましたが、呼吸が苦しく、口もきけませんでした。医者が気つけ薬をのませ、安静にしておくように命じ、この人はもう何時間ももつまいと僕に耳うちしました。
 医者に見放されてしまったので、僕はただ、悲しんで辛抱するほかはありません。寝台のそばで見守っていると、病人は、眼を閉じていたので、眠っているものと思っていましたが、やがて弱々しい声で、僕を近くに呼び寄せて言いました、――「ああ、残念ですが、当てにしていた力も尽きましたよ。私はもうまもなく死にますが、私の敵であり迫害者であるあいつはまだ生きているでしょう。ウォルトンさん、私がこんなふうにいまわのきわになっても、かつて表わしたあの燃えるような憎悪やしんけんな復讐の願いを抱いているとは、考えないでください。しかし、敵の死を願っているのは、自分でも正しいことだとおもっています。このごろ、私は、自分の過去の行為を検討してみましたが、べつに非
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