死んだほうがましです。けれども、そんなことになるのが僕の運命じゃないかと思って心配しています。光栄や名誉という観念に支えられない水夫たちは、喜んでこのつらさを辛抱しつづけるなどということは、とてもできません。
 骰子《さいころ》は投げられました。僕は、もし破滅に陥らなければ帰るということに同意しました。こうして、僕の希望は臆病と不決断のために立ち消えとなり、僕は何もわからずにがっかりしたままで帰ります。
 こんな不法に堪えていくには、自分のもっている以上の哲学を必要とします。

[#地から1字上げ]九月十二日
 事は終りました。僕はイギリスに帰るところです。人類のやくにたつという望み、光栄の望みを失い――友を失ってしまいました。しかし、姉さんには、このせつない事情をできるだけ詳しく申しあげましょう。イギリスに向って、あなたのところに向って船で近づいているあいだは、僕も落胆しないでしょう。
 九月九日に氷が動きはじめ、氷の島々が裂けて八方に散らばる時の雷のような音が、遠方に聞えました。僕らけ、ひどくさし迫った危険状態にありましたが、なるがままになっているよりほかはなかったので、僕はほとん
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