になった。百姓たちは小屋に閉じこもり、ごく頑丈な少数の者が、空腹のあまり餌食を求めてしかたなしに隠れ家から出てきた動物をつかまえに、思いきって外に出るだけであった。河は氷に蔽われて、魚も取れなかった。こうして私は、主要な糊口の道を断たれてしまった。
 敵の勝利に、私が難儀になるにしたがって増していった。やつが書き残したことばのなかには、こういうのがあった、――「覚悟しろ! おまえのほねおりはこれから始まるのだ。毛皮で身を包み、食料を用意しろ。まもなく、おれの永遠の憎しみがおまえの苦悩を見て満足する旅に入りこむのだから。」
 こういう嘲笑のことばで、私の勇気と忍耐は元気づけられた。こうして、私はこの目的を遂げないうちに挫けることのないように決心し、天の加護を願いながら、めげない熱心さをもって広大な無人境をよこぎりつづけると、ついに遠くに大海が見え、水平線の限界となった。おお! それは南の青い海とはなんと違っていることだろう! 氷に蔽われていて、すこぶる荒涼としており、凹凸が多い、という点で、陸地と見わけがつくにすぎないのだ。ギリシア人は、アジアの山から地中海を見たときに嬉し泣きをし、自分
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