たちの労苦の限界を知ってむちゅうで歓呼した。私は泣かなかったが、跪いて、敵の愚弄にもかかわらず、やつに出会って格闘しようと望んだ所に無事に私を導いてくれた精霊に、胸いっぱいで感謝した。
この時から何週間か前に、私は橇と数匹の犬を手に入れ、こうして考えられないような速力で、雪の上をよこぎって行った。怪物もこれと同じ便宜をもっているかどうかわからなかったが、今までの追跡で毎日遅れていたのに、今度は追いついて、私がはじめて大海を見たときには、怪物は一日の旅程だけ先に進んでいたので[#「いたので」は底本では「いたのでで」]、海岸に達しないうちにやつをつかまえられる望みがあることがわかった。そこで、新しい勇気を振いおこして進んで行き、一日かかって、海辺のみすぼらしい小村落に着いた。怪物のことを土地の者に尋ねて、私は正確な情報を得た。その人たちの言うところによると、その前の夜、鉄砲と拳銃で武装した巨大な怪物がやって来て、その怖らしい姿で一軒家の人たちを逃げ去らせた。そいつは、蔵ってあった冬の食糧を奪い去って、馴れた犬の群につけた橇にそれを載せて曳かせ、その夜のうちに、陸地には着かない方角をさして
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