追いかけられますか。そのうえ、あの犯罪がおこなわれてから何箇月も経っており、そいつがどんな場所を歩いているのか、今どの土地に住んでいるのか、誰も推測できませんからね。」
「きっと僕の住んでいる所の近くをうろついています。また、たしかにアルプスの山中に逃げこんでいるとすれば、玲羊《カモシカ》のように狩り出して猛獣として殺すのですよ。しかし、僕には、あなたのお考えがわかります。僕の話を信じてはおられないのだ。それで、僕の敵を追跡して当然の刑罰に処するつもりがないのだ。」
こう語ったとき、私の眼には怒気がちらついた。すると知事は、それに気がついて言った、「それはまちがっている。わたしは努力しますよ。わたしの力でその怪物をつかまえたら、きっとそいつの犯罪に相当した処罰をします。ただ、お話しになったそいつの性質から見て、それができそうもないと思うのですよ。そんなわけであらゆる適当な手段を講じますが、まあ、望みのないことだと思っていただかなくてはなりませんね。」
「そんなはずはありませんよ。しかし、僕がなんと言ったって、やくにたたないでしょうね。僕の復讐などは、あなたには何も重大なことではありま
前へ
次へ
全393ページ中347ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
シェリー メアリー・ウォルストンクラフト の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング