22[#「22」は縦中横] 帰郷と結婚
航海は終った。私たちは上陸してパリへ行った。私は自分が体力を酷使してきたこと、これ以上旅をつづけるにはどうしても休息しなければならぬことが、まもなくわかった。父は、疲れを見せずに私を世話し、めんどうをみてくれたが、私の苦悩が何から来ているのかがわからず、この不治の病を医そうとして誤まった方法を考えた。父に私に、人との交際に楽しみを求めさせようと思ったのだ。ところが、私は、人の顔を見るのが嫌いだった。いやいや、嫌いなものか! そういった人たちは、私の兄弟、私の同胞であって、そのなかのどんないやらしい者でも、天使のような性情と天人のような性分をもった人間と同じように、私を惹きつけるのであった。しかし、自分には、その人たちと交際を共にする権利がない、という気がした。人の血を流し人の呻き声に聞きなれて喜ぶ敵を、この人たちのあいだに、野放しにしたのだ。私の穢らわしい行為と私から出た犯罪のことを知ったとすれば、この人たちは、みんなで私を嫌い、世間から追い出してしまうことだろう!
父もとうとう、人とのつきあいを避けたいという私の願いに譲歩し、議
前へ
次へ
全393ページ中318ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
シェリー メアリー・ウォルストンクラフト の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング