つのあとを追って、生きるか死ぬかの闘いをやらなかったのだろう。私は、あいつが立ち去るのを見のがし、あいつは本土を指して行ってしまった。私は、あいつの飽くなき復讐心に捧げられるつぎの犠牲者は誰だろう、と考えて身慄いした。また、それから、あいつの言ったことをふたたび考えてみた、――「おまえの結婚の夜には行くからな[#「おまえの結婚の夜には行くからな」に傍点]。」そうすると、それが、私の運命の満了と定められた期限なのだ。その時に私は死に、同時にあいつの悪意を満足させ消滅させることになるのだ。そういうことを考えても、恐ろしくてどうこうするわけではなかったが、ただ、愛するエリザベートのことを考えると――愛する者を自分の手から残酷にもぎとられた時の、その涙やはてしない悲しみのことを考えると――長いあいだ流したことのなかった涙が、私の眼から流れ出した。しかし、激しい格闘を演じないでは敵の前に倒れないぞと、決心した。
夜が明け放たれて、海上から陽が昇った。激しい怒りが絶望の底に沈潜するとさ、それが平静と呼ばれるかもしれないとしたら、私の気もちはかなり平静になった。昨夜の怖ろしい争いの場所である家を出
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