に関係のある地点を、いちいち見て歩いた。このささやかな発見の旅は、目的物がつぎつぎと現われてきたために、たびたび延期された。有名なハンプデンの墓やこの憂国の士が倒れた戦場も訪れた。私の魂はしばしば卑屈になるみじめな気づかいから高められ、こういう名所にその記念物や記念碑を遺している自由や自己犠牲のけだかい思想について考えた。しばらくは私も、思いきって自分の鎖を振り棄て、自由で高潔な精神をもってあたりを見まわしたが、鉄鎖が肉に食いこんでいるのを見て、ふたたび戦慄し失望してみじめな自分に還るのであった。
私たちは思いを残しながらオクスフォードを去り、つぎの休息地マトロックへ行った。この村の近隣地方は、かなりスイスの風景に似ているが、何もかも規模が一段と小さく、緑の小山にも、故国の、あの松の生えた山々にかぶさった遠くの白い冠が欠けている。珍らしい洞窟や博物学の小さな陳列館にも行ってみたが、そこには、セルヴォやシャムニの蒐集品と同じようにして珍らしいものが並べてあった。アンリがセルヴォやシャムニという地名を口にすると、あの恐ろしい場面が聯想されたので、急いでマトロックを立ち去った。
ダービー
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