れてよく見えないけれど、島の上にもあるよ。あれあれ、労働者のむれが葡萄のあいだから出てくるところだ。あの村は山ふところに半分隠れてしまっているのだね。ねえ君、こういう所に住んでここを守っている精霊は、きっと、僕らの国の、氷河を積みあげたり、山の近よれない峯々にひそんだりしている精霊よりは、ずっと人間と調和する魂をもっているわけだね。」
クレルヴァル! 愛する友よ! 君の言ったことを記録し、誰よりも君こそ受けるに価する賞讃の辞を述べるのに、今だって私には嬉しいことだ。クレルヴァルこそ「自然の詩そのもの」に養われた人間なのだ。野性的で熱狂的なその想像力は、心の感受性によって精煉されたものだ。魂は熱烈な愛情に溢れ、またその友情は、世俗的な心をもった人なら、そんなものは想像のなかだけにあるものだと言うような、あの没我的な、ふしぎな性質のものだった。しかし、人間の同感さえ、この男の燃えるような心を満足させるには足りなかった。ほかの者ならただ感歎して見るだけの外的自然の風景を、この男は熱情をもって愛したのだ。――
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轟く滝は激情のように
たえずその人に附きまとう。
高い岩
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