も、山も、また深い暗い森も、
その色も形も、こうしてその人には嗜好だった。
与えられた思想による、あるいは
眼から見たのでもない何かの興昧による
間接的な魅力を必要としない
感情や愛情だった。
――ワーズワース「チンターン僧院」――
[#ここで字下げ終わり]
そのクレルヴァルは、いまどこにいるのだろう。このやさしい愛すべき人間は、永久に居なくなったのだろうか。ひとつの世界を形成する空想的なすばらしい観念や想像にあれほど満ちていた心、その存在が創造者の生命に依存していた心は、――あの心は、滅び去ってしまったのだろうか。いや、そうではない。あのようにすばらしくつくられた輝くばかりに美しい君の姿こそ、朽ちはててしまったが、君の精神は今でも、君の不幸な友を訪れて慰めてくれるのだ。
こんなふうに悲歎にくれるのを許してください。いまさら言ってもむだな、こういうことばは、アンリの比類ない価値に対する、ささやかな、たむけのことばでしかありませんが、それでも、あの男を思い出すと襲いかかって苦悩に溢れる私の心を慰めてくれるのです。さて、話を続けましょう。
ケルンを過ぎれば、オランダの平
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