枯れはててしまったことを、私は考えた。この怪物の力や脅迫も勘定に入れないわけにいかなかった。氷河の氷の洞穴に居て、これを追いかけても近よれない断崖の峯々のあいだに隠れてしまう生きものは、争ったところでむだな能力をもったものであった。私は、黙って長いこと考えたあとで、この怪物にとってもまた人間仲間にとっても当然の正しさが、この要求を承諾することを求めている、という結論に達した。そこで、怪物のほうを向いて言った――
「追放中のおまえに伴れ添う女性をおまえの手にわたしたら、さっそく、永久にヨーロッパから、人間が近くにいるあらゆる場所から、立ち去ってしまう、と厳粛に誓うならば、おまえの要求に応じよう。」
「誓いますとも。天日にかけて、神のまします青空にかけて、この胸を燃やす愛の火にかけてわたしの祈りが聴きとどけられるならば、それらのもののあるあいだは、二度とにお目にかかりません。お家に帰って仕事にかかってください。その仕事の進捗ぶりを、言いようのない渇望をもって見守っています。準備ができたらわたしが現われますから、それだけは心配なさらぬように。」
そう言うと、怪物は、私の気が変るのを恐れでも
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