つも起きる時刻を待っていた。その時刻が過ぎ、陽が高く昇ったのに家の人たちは出て来なかった。わたしは、何か怖ろしい災難でも起ったのかとおもって、がたがた慄えた。家のなかは真暗で、何の動く音も聞えなかった。この不安な苦しみはたとえようもなかった。
「やがて田舎の人が二人で通りかかり、家の近くで立ちどまって、しきりに手まねをまじえて話しはじめたが、その二人は家の人たちのことばとは違う国のことばで話したので、わたしには何を言っているのか見当がつかなかった。ところが、やがてフェリクスが別の人をつれてやって来た。その朝フェリクスが家を出なかったことはわかっているので、わたしはびっくりして、とにかくその話を聞いたうえで、こうして思いもかけず姿を現わしたのは、いったいどういうことなのかを知ろうとおもって、気づかいながら待ちうけた。
「つれの男がフェリクスに言った、『三箇月分の家賃を払って、しかも菜園の作物を手離さなくちゃならないなんて、お考えなおしになったらいかがです。わたしは不当な利益を占めたくはありませんよ。ですから、二、三日よく考えたうえでお決めねがいましょう。』
「フェリクスはそれに答えた、『
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