います。おことばに甘えさしていただきます。御親切のおかげで、泥まみれのところから浮び上れます。お助けいただければ、きっとわたしは、あなたの同胞の方々から追い出されずに、おつきあいと同情を願えるでしょう。』
「『追い出すなんて、そんなことがあるものですか! たとえあなたがほんとうに罪人であったとしても。そんなことをしたら、あなたをそれこそ、ほんとうの絶望に追いこむだけのことで、徳を積ませるようなことにはなりませんよ。わたしだって不運なのです。わたしの一家は、罪もないのに断罪されました。ですから、あなたの不しあわせに思いやりがあるかないか、おわかりになるでしょう。』
「『なんと言ってお礼を申しあげたらよいか、あなたはわたしの、たった一人の、このうえもない恩人です。はじめてわたしは、あなたのお口から親切な声を聞きました。御恩は永久に忘れません。あなたのこの情深さから見て、これからお目にかかろうとしている方々のばあいも、うまくいくという気がします。』
「『その方々のお名まえとお住まいを承ってもいいですか。』
「わたしは黙った。おもうに、これこそ永久に幸福を奪い去られるか、それとも幸福を与えられ
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