『それはなるほどおきのどくですね。しかし、ほんとに疚しくさえなければ、この人たちの非をさとらせることができるのじゃありませんか。』
「『そうしようと思っているところですよ。それで、そのためにいろいろ心配でたまらないのです。わたしはその人たちが心から好きで、知られないようにして、もう幾月も毎日親切なことをしてあげるのを習慣にしていますが、この人たちは、わたしが害を加えるというふうに思いこんでいるのですね。わたしが無くしたいとおもっているのは、この偏見なのです。』
「『その人たちはどこにお住まいですか。』
「『この近くです。』
「老人はちょっと黙っていたが、やがて話をつづけた、『あなたがもし、身の上の話を腹蔵なくうちあけてくださるなら、ひょっとしたらわたしが、その人たちの誤解を解くのにおやくにたつかもしれません。わたしは盲人ですから、お顔を判断することはできませんが、おことばをうかがったかぎりでは、どこかまじめな方のように受け取れます。わたしは、貧乏人で、しかも追放者ですが、何かのことで人さまのおやくにたてたら、ほんとうに嬉しいのですよ。』
「『たいへんおりっぱなことです! ありがとうこざ
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