、時か経つにつれて、最初は謎であったいろいろのことがわかってきた。
「しばらく経ってから、この愛すべき家族の不安の原因が一つわかった。それは貧乏であって、そのためにひどく難儀しているのだった。この人たちの栄養は、菜園の野菜と一頭の牝牛の乳がその全部で、その牛だって、主人たちが満足に餌料をやれない冬には、乳はごく僅かしか出なかった。わたしの見るところでは、この人たちはしばしば、甚しく空腹に悩み、わけても若い二人がひどくて、自分たちは何も食べずに老人の前に食べものを置くことも一度や二度ではなかった。
「この思いやりの深さには、わたしは強く感動した。はじめは夜のあいだに、自分が食べべるために、この人たちの貯えの一部を盗むことにしていたが、そうすることがこの家の人たちを苦しめることがわかると、それをやめて、近くの森で集めてきた苺、胡桃、根菜の類で満足した。
「わたしはまた、この人たちのほねおりを助ける別の手段を見つけた。若者が毎日燃料にする薪を集めるのに長い時間をついやしているのを知って、夜のあいだにときどき、使い方をすぐおぼえたその道具を取り出して、数日間も燃やせるぐらいの薪を取ってきて置い
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