定を計らうとしたが、主役の木下が繼續に同意しないので、遂に廢刊といふことに逆轉して了ひました。木下は『新紀元』の終刊號に
『慚謝の辭』を掲げて
「新紀元は一個の僞善者なりき。彼は同時に二人の主君に奉事せんことを欲したる二心の佞臣なりき。彼は同時に二人の情夫を操縱せんことを企てたる多淫の娼婦なりき」
 と絶呼しました。
 まことに傍若無人の態度で『慚謝』の心情など些かも窺はれない放言でありますが、ここが木下の人柄とでも言ふべきでありませう。一年間、熱心に『新紀元』に應援または協力して來た青年同志達は或は失望し、或は憤激し、或は呆れましたが、どうすることも出來ませんでした。(木下は最期の息を引きとるまで、かうした性格を持ちつづけたやうであります。偉大な天才でありましたが、かうした性格から、よき同志を發見し得なかつたので、その才能を充分に發揮し得なかつたのだと思ひます。)
 兎も角も、『新紀元』と『光』とは同時に廢刊して、双方の同志が新發足の日刊『平民新聞』に協力することになりました。前記の堺、幸徳、西川、竹内と私との五人が創立人となり、編集局には山口孤劍、荒畑寒村、山川均、深尾韶、赤羽巖穴
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