に縺れ合ひ、互に重なり合つてゐる。同様にコムミユンの聯盟も、若しその自由な発達に従つたならば、やがて互に縺れ合ひ、互に入り乱れ、互に重なり合つて、『一にして不可分な』網を成すであらう。」
「吾々に於ては、『コムミユン』は決して地域的集団ではない。寧ろ境界も、防壁も知らない、通有的名詞である、『平等者の集団』と同意語である。この社会的コムミユンはやがて画然と限定されたものでなくなるであらう。コムミユンの各集団は他のコムミユンの同種の諸集団の方に必然的に引寄せられるであらう。そしてそれ等の集団と、少くとも同市民に対すると同程度の強い関係で結合し、一つの利益を目的とするコムミユンを構成するであらう。そして、その加入者は多くの都市や村々に分散してゐるであらう。」(以上、拙訳『反逆者の言葉』七四―七六頁)
以上によつて、クロポトキンの理想するコムミユンが、消費組合としても労働(生産)組合としても、決して単一に地域的にのみ形成されるものでなくて、同時に分業的又は種別的に構成されるものであることが分るであらう。かくすれば、前段に紹介したジイドとデユルケムとの意見の相違点はここに自ら融合せられるであ
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