ックリーシュがアメリカの議会図書館二代目の館長として館を改革し、それを整備するにあたっては、この一大新使命が、その根柢に横たわっていたというべきであろう。
マックリーシュの下に働いていた副館長クラップ氏ならびにアメリカ図書館協会のブラウン氏が、わが国立国会図書館の出発にあたって、多くの助言をあたえられたとき、そこに未だ世界に多くその類例を見ないこのインフォメーション・センターとしての大構想が、嗣がれていたのである。この考え方は世界における新構想であるのみならず、未だ実験中の新元素機構なのである。戦後の混乱の文化機構の中に、この大組織網としての図書館構造の形成の中核として立ち上りつつあるわが国立国会図書館は、まことに容易ならざる三年間を、ここに閲《けみ》したというべきであろう。開館の六月五日を思い返して、うたた感無量なるものがある。
日本全国図書館の本の綜合目録を造ることによって、全情報を我館に集めることは図書館法で定められると共に、私達は二十五カ年計画をもってこれを始めているのである。これはユネスコから国際的目録改良委員会を我館に委嘱していることと思い合わせて、内外の世界的スケール
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