野に山にかかる虹の橋
中井正一

 一九五〇年の新しい年があけるにあたって、日本の図書館は何を自らに省みるべきであろうか。
 この世紀の前半、私達は、まず図書館の建設、本の集積に力をつくして来た。この事は互いに競争し、互いに追いつ追われつ、進み来たった道であった。しかし、この世紀の後半は、それだけではすまなくなってきた。
 もはや私達は、互いに競争し、互いに孤立しあっていては、自ら存立できない段階に立至ってきた。お互いの力の結集で、法案をつくって、協同の力で、その予算を確保しなければならなくなってきた。
 このことは、すでに、図書館が、本の量、館の面積のみでは、成り立たない段階に立至ったことを意味するのである。
 すなわち孤立した「実体」としての図書館として、成立する上に何か加わらなければならなくなったのである。今や、図書館は、協同した「機能」としての、「はたらき」としての図書館の概念が、ここに新しく生まれはじめているのである。
 いいかえれば、流れ作業としての印刷カードの流れの一環としての図書館網の出現、それを土台としたところの、綜合目録の完成、更にお互いに特殊図書館としての長所の分
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